BDF利用の調査船見学・試乗会
以前の記事で紹介したように、現在愛媛大学は愛媛県地球温暖化防止活動推進センター主催のコンソーシアム事業「えひめバイオディーゼル燃料促進プロジェクト」に参加しております。
本事業における大学側の企画は、愛媛大学 沿岸環境科学研究センターの所有する調査船「いさな」にバイオディーゼル燃料(BDF)を利用することです。
前回の記事では通常の軽油にBDFを10%混合して利用を開始したと報告しましたが、その後BDFの混合率を増して、現在では50%の混合割合で運用しております。現在までBDFを2000L以上使って本年度の調査や実習を行いました。
そこで今回、実際にBDFで船が動くところを見てもらおうということで、愛媛県地球温暖化防止活動推進センターの西本さん、ヒトエコ運営・愛媛大学ECSの学生さんに「いさな」の見学と試乗に来てもらいました。
「いさな」船長の大西さん(写真のバンダナを巻いたダンディーなお方)からエンジンや船の設備等の説明を聞きます。調査船ですので、海の水温や塩分、海流の速さを正確に計測する装置、魚群探知機やプランクトン、海底の泥を採取するための装置など様々な調査設備が備わっています。
調査船でのBDF利用に際しては、燃料タンクの吸気口を少し加工(シリカゲル等による水分除去)していますが、エンジンやその他配管などは今のところとくに交換・改造等は行っておりません。
それでも、これまでノートラブルで、軽油を使っていたときと比較しても馬力の変化などはあまり感じない、ということです。
BDFを利用してから体感できる一番の変化は、排気ガスの「におい」ということでした。エンジンが十分暖まるまでは、排気ガスに天ぷら油のにおいが、かなり漂ってくる、ということです。学生さんによっては、若干船酔いに影響するとかしないとか(^^;
しかしにおい問題以外には、とくに調査船の運営上問題は発生していない、ということです。船長さんには、BDFによるゴムや樹脂製品等の腐食などにも気を使ってもらっていますが、それも今のところ問題はないようです。正直この辺は使ってみないとわからないことも多いので、ノートラブルと聞いて安心しました。
船やBDFの利用状況について一通り船長さんに聞いた後は、実際に港の周りをクルージングしてもらいました。
この日は天気も良く、海風がさわやかで最高に気持ち良いクルージングとなりました。
試乗中に排気ガスの天ぷら油のにおいもちょっとだけ感じることができました。この日は時間も短く、天気もよかったので誰も酔ったりはしませんでした。むしろ「本当にバイオ燃料で走っているんだ!!」と実感・証明できてよかったと思います(笑)
また、排気ガスの様子について、実際に排気口で観察してみましたが、エンジン始動時以外には白煙等がみられることはありませんでした。
上の写真のように排気口からは冷却水とともに排ガスが出ているのですが、白煙や黒煙等はみえません。
最後に船長さんと見学者のメンバーで写真をとって見学・試乗会終了です。
ついでにルネッサンス号と「いさな」のツーショットも(笑)陸・海、両制覇の証拠写真です。
今後もお手数をおかけしますが、船長さんなにとぞよろしくお願い申し上げます。