プロジェクトのポイントその3:BIO to BIO

今回開発するバイオカーのコンセプトを一言でいえば以下のようになります。

バイオ燃料で作ったエネルギーを使って、新たなバイオ燃料を作る(BIO to BIO)

通常のプラントであれば、バイオディーゼル燃料(BDF)は、発電所で起こした電気や給湯器などでガスを燃やした熱(温水)を使って、メタノールや触媒とあわせて合成・精製するわけです。

しかし、そうした「外」からのエネルギーに頼らずにBDFを作る方法があります。

それは、天ぷら油やBDFでディーゼル車のエンジンやディーゼル発電機を動かして、そこで発生した熱や電気を使って新たなBDFを作るということです。

そもそも厳しい見方をすれば「外」からのエネルギー供給に頼って石油代替の燃料を作っているうちは、本当のエネルギー自給ができている、とはちょっと言い難いですよね。

最近のエコ発電で「コージェネレーション」という言葉を聞きますが、これは要するにエンジンや燃料電池を使った発電システムにおいて発電時の熱も回収して「電気+熱」を使用することでエネルギー利用効率を上げるということです。

実は自動車そのものが、このコージェネレーションシステムの一つなのです。

つまり、自動車はエンジンの動力を使って「発電」をして、ライトやエアコンポンプなど色んな電気装備を動かすと同時に、外がどんなに寒くてもドライバーが快適に過ごせるようエンジンの「熱」を室内ヒーターに導いています。

すなわちBDFやSVO(天ぷら油ストレート)で自動車のエンジンを動かして、そこで発生した電気と熱を使って、トランク等に設置したBDF製造装置(マイクロプラント)を動かすことができれば「BIO to BIO」が可能になるわけです。

これにより、外部電力や外部熱源なしでも、BDFを作ったり、廃天ぷら油をタンクやエンジンルーム内で加圧ろ過&加温して、エンジンに供給することができるので、廃天ぷら油さえあればどこまでも「自給自走」可能であり、また小型移動式の発電機・燃料製造用プラントとしてどこでも活躍することができる、というわけです。

バイオカーシステム概念図

投稿日 : 2010/10/09 | カテゴリー : プロジェクト内容 |

新着情報