更なるバージョンアップに向けて(1)
先週は会議や出張、研究発表会などが重なった上に、日曜日も試験監督で出勤。
そして締め切りが過ぎてしまっている原稿が二つ・・・(担当者の方、本当にすみません)
そんな状況でなかなかバイオカー開発にあてる時間がありません。
しかーし、やりたいことは他の時間を削ってもやる!
それがダメなら誰かにお願いしてやってもらう。
・・・というわけで、先週からは「他力依存」モード全開でプロジェクトが進んでます。
本当に皆さん、ありがとうございますm(_,_)m
まず一つは、ルノー松山さんでの車の修理です。
わずかにあったオイル漏れをしっかり修理してもらい、動かなかったオドメーター・タコメーターについてもきちんと専門業者に出して直してもらいました。
これで燃費計算ができるようになります。
ちなみにメーカー問わず、古い車のメーターとかもきちっと直してくれるすごい職人が東京の下町にいるそうです(会社の名前を失念してしまったので、今度確認しておきます)。日本の職人技は今日も健在です!
そして、愛媛洋行さんに頼んでいたステンレス製のテーブルも完成!
コンパクトでとてもしっかりとした作り。パンチ穴がスパルタンでかっこいい!!
これからこのテーブルにプラントコントロール用の自作電装や各種ポンプ、インバーター、BDF精製用カラムなどを設置していく予定です。小型ながら高機能のステンレス製実験台。ムフフフ・・・。
そして、本日のメインは、このBDF精製用のイオン交換樹脂です。
これを使えば、水がなくてもBDFを精製することができます。
具体的には、この樹脂をカラム(細長いパイプ状の容器)に詰めて、その中をポンプで粗BDFを通し、残留グリセリンやセッケン分などの不純物を吸着除去して燃料を「磨きあげる」わけです。
今回の樹脂はテスト用ということで、オルガノ(株)の方にお願いして、無償サンプルを提供していただきました。本当にありがとうございます。
固定式のBDFプラントであれば、最も安価で確実な洗浄剤である「水」を使ってBDFを精製することができます。またその際にでる排水は浄化タンク等に貯めて処理することができます。
しかし、今回のように移動式プラントの場合は、大きな排水処理タンクを車に載せることは厳しいですし、また十分に水が得られない場所でもBDFを精製できないといけません。よってBDFのドライ(=水を使わない)精製が必要と判断しました。
このイオン交換樹脂は、もともとローム・アンド・ハースというメーカーがBDFのドライ精製用に開発したものです。すでにかなり色んなプラントで使われているようです。
実は、今回のプロジェクトではこうした特殊な樹脂は、それを製造・入手するための資源や技術の「持続性」に関する疑問が残るので、出来る限り使わないようにと思っていました。しかし、当面のことを考えれば出先でBDF排水を大量に出すわけにはいきませんから、移動式に限りドライ精製用の樹脂を使うことにしました。
また、資源や技術の「持続性」を解決するために、今後は大学の他の研究者と協力し、石炭灰やゴミ焼却灰などの廃棄物から作られる「リサイクルゼオライト」をベースとしたドライ用精製剤を開発・テストしたいと思っています。
それが上記のイオン交換樹脂に劣らない性能を示せるかどうかは、マイクロプラントを使って容易に実験できるようになるはずです。
つまり「とにかく車でBDF作れりゃいいんじゃあ」というわけじゃない、ということです。
小型・移動式なだけでなく、環境調和型・持続型で、ノウハウとポイントさえ押さえれば誰にでも(似たようなものを)作れて、各種研究やテストにも十分使えるシステムにする、というのが最終目標なのです。
投稿日 : 2010/11/29 | カテゴリー : BDF製造, プロジェクト内容, マイクロプラント詳細, 近況/その他, 進行状況 |